


オリザ油化(本社愛知県一宮市、村井弘道社長)は、2013年12月に上市したダイエット作用と運動機能向上作用を有する紫茶エキスおよび1998年3月に上市した抗酸化成分であるフェルラ酸について、紫外線A波(UVA)から線維芽細胞を防御する紫外線防御作用を見出した。尚、本作用は特許申請済みだ。
紫茶エキスとフェルラ酸の UVA に対する防御作用
紫外線は日焼けによる炎症、乾燥やシワ肌の黒色化などを引き起こす。中でも、紫外線A波(UVA)は真皮まで到達し、細胞外マトリックス(ECM)であるコラーゲンやエラスチンを分解するだけでなく、ECMサプライヤーである線維芽細胞にもダメージを与え、真皮構造の破綻を招き、シワやたるみを引き起こす。
評価方法はUVAを線維芽細胞に照射すると、細胞の心臓である「核」を守ろうとして、図1の様に細胞骨格を委縮させる。
UVAを照射する前の細胞の大きさと比べて、照射後の細胞は何倍も小さくなっている。その特性を生かし、紫茶エキスとフェルラ酸を細胞に作用させ抗紫外線作用を評価した結果、両者ともにUVA照射による細胞委縮を抑制した(図2・図3)。
この結果より、紫茶エキスとフェルラ酸に紫外線から線維芽細胞を守る(紫外線防御作用)が認められた。
今回、同社が取得したデータは、食品および化粧品共に、日焼け止め製品への配合に提案できる基礎データだ。化粧品市場では、オキシベンゾンやクチノキサートなどの抗紫外線剤が配合された日焼け止めが大半だが、環境破壊や安全性等の観点で問題視されている。また、経口用の市場ではグルタチオンや L-システインなどがメジャーだが、日本では医薬品原料となっており食品では使えないため、天然由来の紫外線防御剤である紫茶エキスとフェルラ酸は、それら欠点を補う素材として注目できる。